宇宙人解剖フィルムの真実

異星人解剖フィルムと呼ばれる映像は、イギリスの映像実業家レイ・サンティリによって世に出され、1995年に世界中のテレビで一斉に公開された

サンティリの説明によると、1947年7月にニューメキシコ州ロズウェルに異星人の乗り物が墜落し、その1ヶ月後にテキサス州ダラスのフォートワース基地内で異星人の死体解剖が行われた。この墜落現場と異星人死体解剖を撮影したという従軍カメラマンが現れ、そのフィルムをサンティリが買い取った、という話だった。実際に、1947年にロズウェル近辺に異星人の乗り物が墜落したと主張されるロズウェルUFO事件では、一部の目撃者が回収された異星人の死体解剖が行われていたと証言していた。ただし、サンティリの説明はロズウェルUFO事件の異星人死体解剖の話とは場所・時期などが大きく異なり、分けて考えるべきだとの指摘もある。

異星人と主張されるもののリアルな映像が公開されたのはこれが初めてであり、大いに話題になった。しかし、映像提供者であるサンティリの説明が二転三転したり、映像の内容自体が矛盾だらけであることから、懐疑論者だけでなく異星人擁護者からもフィルムがニセモノであるという主張が噴出した。異星人擁護者の中から、この映像がこれまでロズウェルUFO事件の真実を追究するために行われてきた仕事を傷つけるのではないか、と懸念する声が出たほどである。

ついに2006年、サンティリをはじめとするフィルムの制作に関与した人たちがフィルムが作り物であることを次々に告白しはじめた。2006年、映画Alien Autopsy(エイリアン・オートプシー。宇宙人解剖フィルムのパロディ作品)の特殊効果を担当した英国の彫刻家ジョン・ハンフリーズが、当時のグレイ型宇宙人の製作に関わったと発表した。